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自治組織「記録簿」の変化 中編

自治組織「記録簿」の変化 前編より

 2冊目は前編で紹介したように平成9年から28年までのおよそ20年近い間の記録である。約200頁の記録簿だから1年に10ページほど書いているということになる。けっこう書いている方だと思うが、そう考えると1冊目は8年ほどで書き終えているから倍以上書いていることになり、見事な「記録」ということになる。この2冊目の記録簿では平成24年の記録は「記録」ではなくワープロ化されたものを印刷して貼り付けてある。A4版でたった3枚である。よほど忙しい人なのか書き無精の人か、ということなのか。すでにあと10枚くらいとなった記録簿にいきなり貼り付けられた紙が挟まっているので違和感があるが、時代の趨勢なのだろう。とはいえ、それまでずっと自筆で書き綴られたていたものへ、自筆皆無でいきなり紙貼り付けだから決行するには勇気がいる。それでもこのたった3枚で明確にその年がわかるのならその方が良いかもしれないが、その方の5年ほど前から自筆の記録も少なくなって毎年同じようなことを記すだけとなっている。例えばその年らしい具体的な記述はなく、課題事項も減少していく。直接的に対応を求められるような問題が起きない限り、静かに1年は過ぎていく時代を迎えたということなのだろう。3枚を見開き2ページに重ねて貼ってあるから、たった2ページですべてが完結している。この年の担当自治会長さん、まさにやったことを淡々と書き並べただけ。同様に翌平成25年度も印刷された紙が見開き2ページに3枚貼り付けてあるが、さすがに同じ内容をコピペしたように貼り付けるのは気が引けたのか、最後に「引継事項」が9行ほど書き綴られていていて親近感を覚える。

 ところが平成26年からは自筆記録に戻る。それがワープロが不得手だったのか、それともこの程度の内容なら自筆で良いと思ったのか、担当自治会長の想いはいかなものだったのか。ページにして5ページに渡るが、字数はワープロ3枚より少ないかもしれない。自筆の様子から5ページは全て引継ぎ時に書き上げたという感じだ。ようは日々記したという記録ではない。翌平成27年度は9ページに渡り自筆で綴られるが、このころ神社改修が実施されていて、課題がいろいろあったから記録は少し多く、最後にまとめて書き上げたという感じではない。2冊目の最後の年である平成28年度は、再び整然と自筆で書き上げられていて、引継ぎ時にいっきに綴ったという印象。内容からすれば、おそらくわたしが当時担当者だったら、同様に引継ぎ時にいっきに書き上げていただろう。面倒くさがり屋で気の短い人は、一気に書き上げるタイプだと思う。ということで、2冊目は最後の方に2年間だけ印刷貼り付けというスタイルが見えるが、ほぼ自筆記録で終えている。引き継いだデジタルデータの古いものが平成27年から28年度のころからのものだから、この2冊目を終えると、様子が一気に変わる。「記録簿」にはその変化が見事に現れているのである。

続く

 

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