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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

一ノ瀬の熊野神社を訪れて

横川川の谷にも神社はいくつも存在する。長野県神社庁の一覧には4社記載されているが、例えば〝扇・真綿・麻〟⑦であげた渡戸神明宮は一覧にはない神社であり、そうした小宮がいくつか存在する。一ノ瀬にある熊野神社は長野県神社庁の一覧にある神社である。…

庚申塔と二十三夜塔と

昨日辰野町小野飯沼の明暦の庚申塔について触れたが、この近在には珍しい造塔信仰が認められる。小野の中心街から西へ松本射撃場に向かって進むと、最も奥にある集落が藤沢である。飯沼の中村から藤沢に続く道と小野から進んできた道が交差するT字路に石仏…

明暦の庚申塔

国道153号の辰野町小野「小野下町」信号機から西へ入って行くと旧楢川村へ通じる。飯沼川が流れるこの谷を飯沼といい、南側の山尾根を越えて横川川の谷の飯沼沢とは背向いということになる。飯沼の中村と下村の間の山に少し入ったところに石碑群があり、そこ…

〝扇・真綿・麻〟⑧

〝扇・真綿・麻〟⑦より 『日本民俗大辞典 (下) 』(2005年 吉川弘文館)の「みやまいり」の項には次のように記されている。 新生児が生後はじめて氏神に参る儀礼のこと。お宮参りという。初宮参りのことである。生後二十八日目から三十日目前後に赤子が晴着…

大鹿歌舞伎(昭和63年の記憶⑫)

大山田神社獅子舞(昭和63年の記憶⑪)より 昭和63年10月30日に発行した『遥北通信』70号(遥北石造文化同好会)の「近況」報告に次のように記している。 10月16日には大鹿村塩河の市場神社で行なわれた「大鹿歌舞伎」を訪れた。地芝居は、古くより農民に親し…

〝扇・真綿・麻〟⑦

〝扇・真綿・麻〟⑥より 辰野町川島飯沼沢諏訪神社 箕輪町の西山裾を北へ向かうと辰野町北大出であるが、北大出のことは後述するとして、さらに北へ向かう。そもそも〝扇・真綿・麻〟の分布について調べるきっかけとなったのは辰野町沢底の鎮大神社の例を見て…

大山田神社獅子舞(昭和63年の記憶⑪)

下清内路の花火(昭和63年の記憶⑩)より 10月10日、当時はもちろん「体育の日」で祭日であったわけであるが、下條村鎮西(ちんぜい)にある大山田神社の獅子舞を訪れた。大山田神社の創建は古く、定かではないが、平安時代延喜5年(905)に編纂の始まった「…

ブログを移行して1か月

ちょうどこのブログへ移行して1か月経った。閲覧しているページを修正して更新するのは、「はてなブログ」はやりやすい。したがって既にある記事を読み直して書き直していく作業はメリットがある。しかし何と言っても以前のブログと違って、ウェブ上への検…

色白になった石仏群

「辰野町川島木曽沢の道祖神」をちょうど昨年記した。本日松本からの帰りに立ち寄ってみると、すっかり様子が違っていた。「辰野町川島木曽沢の道祖神」にもグーグルへのリンクが貼ってあるが、いずれこのグーグルの様子は変わってしまうので、現在グーグル…

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について⑤

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について④より 吉村進さんは日本の東西文化の境界線を検討したうえで、上伊那郡の文化圏をさらに細分化しようとする。一つとして「北東部」、二つ目として「中部」、三つ目として「南部」と、3分割をしている。「…

〝扇・真綿・麻〟⑥

〝扇・真綿・麻〟⑤より 拝殿向かって右側の柱に括られた〝扇・真綿・麻〟 前回の富田神社から2キロほど北へ行くと同じ箕輪町の上古田に至る。前回も触れた通り、西山の山麓の神社には扇が無いわけではないが、数は少ない。古田神社拝殿前の左右の柱にお宮参…

変な奴、そして危ない奴

今朝がたのことだ。いつも通り高速に入って走っていると、ふだんなら気がつくところを追越車線を抜いていく車が…。何が気がつくかと言えば、後ろから来ている車のこと。それが気がついた時にはすでに抜かれていたので、「ボーッ」としていのかもしれないが、…

追平隧道へ

黒川堰追平隧道修復工事完了視察会 石巻き区間上流側素掘隧道 隧道出口から上流20間は石積されており、登録有形文化財区間 令和3年登録申請作業時の隧道坑口 令和4年8月3日にここに掲載した「農業用水路の登録文化財答申報道」の現場(黒川堰追平隧道)…

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について④

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について③より 前編において「大泉川・三峰川及び北沢・三峰川境界説」の中の「大泉川・三峰川」ラインというものを捉えたが、吉村進さんは「正確に境界線を指摘することは難しい」と言いながら、天竜川左岸につい…

朝日村の昭和55年庚申塔

朝日村三ヶ組庚申塔 朝日村荒井中の道祖神をしばらく前に紹介した。この道祖神の近く、道路からは奥まった山つけに大きな碑が見えたので行ってみた。そこにはただ1基「庚申」が建っていた。まだ比較的新しい年代のものとは、見ればすぐに解る。そのまだ新し…

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について②補足

〝 『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について②〟の最後に「天竜川左岸側の地域のデータが無い。この地域は「どうだったのか」というところも気になるところである」と記した。実はこのお手玉の呼び名については『長野県上伊那誌民俗篇下』(上伊那…

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について③

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について②より 文化圏の境界について「大田切川境界説」について前回触れたわけであるが、吉村進さんは次の境界設定として大泉川・三峰川境界説について述べている。ここに示した図は前回同様に『上伊那の民俗行事…

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について②

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について①より 文化圏について著された吉村進さんは、まず文化圏の「大田切川境界説」を具体的な事例で検証している。具体例は「お手玉」である。その呼び方についてアンケートを利用して図を示しており、ここではQ…

下清内路の花火(昭和63年の記憶⑩)

多段掛けの稲稲架(昭和63年の記憶⑨)より 10月8日は清内路村下清内路の祭りを訪れている。10月8日と決まっていた祭日であるが、この年はちょうど土曜日であった。清内路の花火についてあらためてここに記す必要もないが、昭和の終わりころには毎年のよう…

今どきの秋の〝色〟

10月も半ばになって、もうアサギマダラはいないかな、と思ったが、たった1頭ではあるが我が家の畑にまだ姿を見せていた。とはいえ、周囲を見渡せばセイタカアワダチソウだらけ。セイタカアワダチソウの臭いが強いのはよく知られている。実は、わが家から下…

光輪寺薬師堂の石仏から 後編

光輪寺薬師堂の石仏から 中編より 朝日村西洗馬光輪寺薬師堂 前回紹介した秩父と四国の観音が並ぶ裏山の手前、入口にずらっと21基の石仏が並んでいる。十三仏と七観音である。十三仏とは不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如…

光輪寺薬師堂の石仏から 中編

光輪寺薬師堂の石仏から 前編より 秩父三十四番観音 四国八十八カ所観音 朝日村西洗馬の光輪寺薬師堂の庭以上に石仏があるのが裏山である。裏山といっても離れているわけではなく、裏側から上る歩く道に入るとすぐに石仏が道に沿って並んでいる。その数は100…

続 長瀬の秋祭りを訪れて

長瀬の秋祭りを訪れて 後編より 栄村長瀬灯篭風流 神社での獅子舞 埼玉大学文化人類学研究会がまとめた『栄村東部谷の民俗』(1994年)に長瀬の祭りのことが書かれている(文責は有馬準)。その中でかつての若者たちがトーローとどうかかわってきたかという…

〝音の伝承〟後編

〝音の伝承〟前編より 「音が消えた」と思わせる最たるものが「車」だろうか。まだ電気自動車には早い「日本」だが、ハイブリッドの車が多くなった今、車の発進時にそれをくみ取れないほど、車は「音」を発しなくなった。もちろん車のなかった時代にはあり得…

『上伊那の民俗行事』に著された「文化圏」について①

伊那谷における民俗領域(文化圏)については、郡の境界域に生まれ育ったわたしは子どものころから強く意識してきたもので、大人からさまざまな雑音を耳にしてきた。自著『郡境域から見続けた“上”伊那』(令和6年)のタイトルもそうした自らの中にある想いを…

描かれた図から見えるもの㊻

描かれた図から見えるもの㊺より 前回現在の観光パンフレットの図上の方角について地図にして示した。観光パンフレットの難点は、紙ベースも現在のデジタル化されたものも、その発行年、制作年が明確でないものが多いこと。紙ベースのもので、発行年が記され…

「主食は米か」から

日本における主食が、今は米であることは誰もが認識しているところだが、Wikipediaでは「少なくとも昭和30年代(1955年-1964年)までは、多くの人たちが米を常食することはできなかった。実生活上の主食は複数の穀物を組み合わせたものであった。水田地帯に…

多段掛けの稲稲架(昭和63年の記憶⑨)

早稲田人形(昭和63年の記憶⑧)より 5月8日に訪れた木曽を、10月2日にも訪れている。刈り入れの季節であったこともあり、多段掛けの稲刈り風景を撮影している。写真のものは11段の稲架棒があり、その高い稲架に稲を掛ける光景を見た。正確に場所の記録な…

中条布施田神社例大祭へ 後編

中条布施田神社例大祭へ 中編より 布施田神社 天狗舞 獅子舞の後は最後の天狗(猿田彦)の舞となる。天狗はススキの中から登場し、扇を持ってゆったりと舞い始めるが舞というほどの舞は伴わない。扇を顔の前面にあげて遠見をしているよゆうな所作をした後、…

「渋滞」「苛立ち」「焦り」の元凶

「車間」と検索すると夥しく運転に関する記事が現れる。いかにこのキーワードのある日記を書いてきたかということになる。 朝は毎日利用する高速道路。もちろん通勤に利用しているのだが、やはり一般道とは所要時間がまったく異なる。利用する価値があるのは…

 

お読みいただき、ありがとうございました。